多義図形とは?意味と作品例を紹介

多義図形とは?意味と作品例を紹介

 

多義図形とは、何かのものや人を表している絵なのに、見方によってそれとは別の絵が現れるというものを指します。

ネッカーの立方体

多義図形は、ひとつの絵が二種類以上の見え方をするものです。 古くから様々な種類のものが考えだされてきました。多義図形のなかには、同時に二種類の見え方をすることができず、交互に見え方が現れるような「反転図形」(reversible figure)と呼ばれるものもあります。

有名なものには、スイスの地理学者ルイス・アルバート・ネッカー(1786年〜1861年)により1832年に考案された「ネッカーの立方体」と呼ばれるものがあります。

ネッカーの立方体

ネッカーの立方体

 

立方体を右上から見ているようにも、左から見ているようにも見える

ルビンの壺

「ルビンの壺」と呼ばれる絵は、左右対称にギザギザがついている壺のように見えますが、見方を変えると、左右二人の人の顔が向かい合っているようにも見えます。これは、背景となる部分と、形として見える部分が入れ替わって見える反転図形として知られています。 1915年にデンマークの心理学者エドガー・ルビン(1886年〜1951年)が考案し、発表されました。

ルビンの壺

ルビンの壺

 

白地に黒で壺の形が描かれているが、白に注目すると、向かいあった二人の顔が見える。

https://youtu.be/yl81f4w8IV4

嫁と義母

エドウィン・ボーリング(1886年〜1968年)は、アメリカのフィラデルフィアに生まれました。心理学を研究し、ハーバード大学の心理学研究所の所長やアメリカ心理学会の会長にもなりました。

ボーリングは、W.E.ヒルが描いた「嫁と義母」という絵を1930年に使い、人間がどのように視覚的な認識をするかを研究しました。

嫁と義母

嫁と義母

 

様々な多義図形

多義図形は他にも、様々な作者によって考案されています。 多義図形は、反転図形とは異なり、全体を見たときと細部を見るときで、見方が異なるというものです。 多義図形には、作者によるメッセージが隠されていることもあります。

20世紀のアメリカの画家チャールズ・アラン・ギルバートが描いた多義図形です。鏡を見ている女性にも、髑髏にも見えます。