【どちらが明るいでしょうか?】マッハの帯とは?

【どちらが明るいでしょうか?】マッハの帯とは?

 

ろうそくが丸い円の中央に見えている図が2つあります。 どちらの円が明るいでしょうか?

マッハの帯の解説

両方の円の明るさは同じです。

左の円の周りを特に明るく描いているわけではありません。しかし、そこだけ眩しく輝いているように見えます。

ポイントは、左の円の枠の部分には、中央へ向かって黒から白へグラデーションがかかっていることです。このグラデーションのために円の枠の内側が特に輝くように明るく見えてくるのです。

これは、脳が明るさの違いを際立たせようとする処理をしているために発生する視覚効果です。グラデーションの終わったところで特に輝くように見える帯領域はマッハの帯と呼ばれています。

グラデーション領域の両端では、明るさと暗さが強調されて認識されます。白領域と繋がる部分はより明るく、黒領域と繋がる部分ではより暗く感じられるのです。実際より明るく感じられる帯領域と、実際より暗く感じられる帯領域は、どちらもマッハの帯と呼ばれます。

マッハの帯の使用例

レンブラントは、マッハの帯の視覚効果に気づいており、作品の中で効果的に使用しています。レンブラントの作品を見ると、油絵なのに光を感じさせる部分だけが眩しく輝き、キャンバスの裏から電球で照らしているかのようです。

 

マッハの帯は、古くから油絵などの絵画技法で使用されてきました。 オランダの画家レンブラントは、「夜警」に代表されるように夜の暗さの中で光に照らされたモチーフが鮮やかに浮かび上がるシーンなどを描くことが得意です。 「光の魔術師」と呼ばれていました。 レンブラントは、マッハの帯の視覚効果に気づいており、作品の中で効果的に使用しています。レンブラントの作品を見ると、油絵なのに光を感じさせる部分だけが眩しく輝き、キャンバスの裏から電球で照らしているかのようです。

人の目には瞳孔と呼ばれる光を受ける窓があります。 瞳孔は、光が強いとすぼまり、光が弱いと開きます。このように目に入る光の量を調整する機能を持っていますが、マッハの帯を見たときには、この瞳孔がすぼまるという実験結果が得られています。 このことから、知覚は目に届く物理的な光の強さではなく、脳で処理した主観的な強さに基づいているということが分かります。錯視は脳が作り出しているのです。