錯視の美術作品を紹介

錯視の美術作品を紹介

 

絵画を始めとした美術作品には、錯視や騙し絵が見られるものが多数あります。 作者の技巧が組み込まれた作品は、見れば見るほど不思議に感じられるものばかりです。

エッシャーのおかしな絵

オランダで1898年に生まれた版画家マウリッツ・エッシャーの、1960年の作品「上昇と下降」には、永遠に続く階段が描かれています。このような階段は、不可能図形と呼ばれるものです。 エッシャーの絵はとても巧妙に描かれているため、よく見ないとおかしな点に気づかないかもしれません。 エッシャーは他に、模様の繰り返しによる作品も多く残しています。

エッシャーの「上昇と下降」

エッシャーの「上昇と下降」です。建物の屋上に、無限に続く階段が描かれている。

 

アルチンボルドの騙し絵

16世紀のイタリア出身の画家ジュゼッペ・アルチンボルドは、野菜や果物、花などから、人の顔を描きました。これは、錯視とは少し異なり、「騙し絵」や「寄せ絵」「はめ絵」と呼ばれるもののひとつです。

歌川国芳の戯画

歌川国芳は、18世紀末に生まれ、江戸時代末期に活躍した日本の浮世絵師です。絵にダジャレを取り入れたり、動物を人に見立てたり、「戯画」と呼ばれるユーモアのある絵をたくさん残しています。 アルチンボルドと同様に、何かを集めて別のものにする絵も描かれています。

スーラの点描画

19世紀のフランスの画家、ジョルジュ・スーラは、細かい点の集まりで色を表現する「点描」という技法で作品を残しました。近くから見ると色の点からできていることが分かります。少し離れてみると繊細な色合いに塗られているように見えます。視覚が混色(色を混ぜること)をしているのです。

オプ・アート

オプ・アートとは、色や模様を工夫して、錯視の効果が現れるような作品を作る芸術の一分野です。 代表的な芸術家として知られる、20世紀初めのハンガリー生まれのヴィクトル・ヴァザルリの作品があります。

オオウチハジメという人が1977年に発表したデザイン集の中で、図案のひとつとして掲載されているものです。 錯視の効果があることが1986年にシュピルマンらによって発見された「オオウチ錯視」として知られています。

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